代表的なインデックス:S&P500®とダウ平均®
ダウ平均とS&P500指数は代表的な市場ベンチマークです。両インデックスに連動する投資商品は数多く、いずれのインデックスもS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスから公表されており、米国の大企業の株式を網羅しています。
S&P DJIは世界各国の証券取引所と協力しており、当社のグローバルな組織体制と各地域の専門知識を組み合わせることにより、国内外の投資コミュニティ向けに指数を構築しています。
当社の定評あるSPIVAリサーチでは、20年以上にわたり世界中のアクティブ運用ファンドとそのベンチマークのパフォーマンス比較を測定している。
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S&P DJI は、透明性の高い安定したベンチマークを長期にわたり金融業界に提供しています。当社では、コア・バリューに合致し、適用されるすべての法令および規制や、業界の基準およびガイドラインに準拠した質の高いベンチマークを提供することに努めています。S&P グローバルの企業倫理規範や、S&P DJIの方針および手順では、効率的なガバナンス・プログラムの策定に向けた基準を定めています。
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ダウ平均とS&P500指数はともに長い歴史を持つ由緒あるインデックスです。
1896年5月、チャールズ・ダウは既に1884年に導入していたダウ・ジョーンズ輸送株価指数に加え、主要工業株12銘柄の日次平均の算出を開始しました。そしてこの二つのインデックスを合わせて使うことで市場全体の傾向をモニターすることを目指しました。1916年に8銘柄が加わり、1928年にさらに10銘柄が追加されて合計30銘柄となり、この銘柄数が今日まで続いています。チャールズ・ダウが考えた通り、株価の平均は市場のベンチマークとして生き残り、現在もその役割は変わりません。ただし、変化したこともあります。 それは、値動きを追う市場の規模と多様性が示すように、 ダウ平均の対象はもはや工業株だけではありません。
1923年、スタンダード・スタティスティクス・カンパニーは、市場のトレンドを反映することを目指し、同社初の株式インデックスを開発しました。S&P500指数の前身である同指数は米国株式233銘柄を対象に毎週算出されました。1926年には総合株式指数に改訂され、90銘柄を対象に毎日算出されるようになりました。その後、銘柄数は徐々に増えて、計算の頻度も高くなり、1957年3月に現在の形式であるS&P500指数が誕生しました。
インデックスの構築という点では、ダウ平均もS&P500指数も米国の大型株の動きを追っています。ダウ平均の採用企業は有名大企業で「ブルーチップ」と呼ばれることも多々あります。S&P500指数も大型株である主要セクターのトップ企業を網羅しています。ダウ平均の構成銘柄は、普通はS&P500指数に組み入れられており、通常S&P500指数の時価総額の25%から30%を占めています。
ダウ平均とS&P500指数は導入以来、米国株式市場の大型株セクターから選択した企業を組み入れてきました。
各インデックスともに、どの銘柄を追加するかの最終判断はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの委員会が行い、ダウ平均は株価平均委員会が、S&P500指数は米国指数委員会が担当しています。
ダウ平均の銘柄選択は厳格なルールに基づくものではありませんが、委員会は適格企業の名声、持続的な成長の長期実績、投資家の関心度、セクターを代表する企業かどうかなどに注目します。例えば、過去15年間には、米国株式市場におけるテクノロジーセクターの成長を反映し、多くのテクノロジー関連企業が指数に採用されました。
ただし、公益企業や輸送企業はダウ平均に採用されておらず、別途ダウ・ジョーンズ公益株価平均及びダウ・ジョーンズ輸送株価平均がカバーしています。
S&P500指数の選択プロセスは、財務の健全性、浮動株数、十分な流動性、企業タイプといった組入条件を定めた定量的な基準に従って管理されています。こうした条件を満たした株式の中から、セクターを代表する企業かどうかを検討しつつ、構成銘柄を選択するのが委員会の役割です。指数に採用されるための重要な要件として、企業は大型株として十分な規模の時価総額を有する必要があります。また、企業は十分な浮動株数または浮動株比率を有する必要もあります。S&P500指数のファクトシートにおいてこれらの両方の基準に関する現行の閾値を見ることができます。
ダウ平均もS&P500指数も定期的にレビューを実施して、構成銘柄が選択基準を満たしていることを確認していますが、銘柄変更の理由は必ずしも同じではありません。
ダウ平均のレビューは必要に応じて行われます。継続性を保つため、変更はほとんど実施されません。通常、構成企業の中核事業の大幅な変更や、買収などのコーポレート・アクションがない限り、銘柄の入れ替えは実施されません。
S&P500指数の変更は通常、コーポレート・アクションや市場動向を受けて行われ、いつでも実施可能です。インデックスのメソドロジーは企業の除外に関して、上場廃止や破産宣告など、一定のガイドラインを定めています。その後、適格証券のリストから代わりに組み入れる銘柄を選択します。
ダウ平均とS&P500指数の重要な違いは、各インデックスの構成銘柄を加重するために用いる方法です。
ダウ平均は価格加重を使用しています。そのため、株価が高い銘柄の価格変動は、株価が低い銘柄の価格変動よりインデックスの水準に大きな影響を与えます。このメソドロジーでは、株価が極めて高い銘柄がここ数年ダウ平均に採用されていません。それは、株価の変動がインデックスに与える影響が過度に大きくなり、市場全体のパフォーマンスの尺度としてのダウ平均の信頼性を低下させる恐れがあるからです。
S&P500指数は、浮動株調整後時価総額加重を用いています。浮動株調整後時価総額は、株価に発行済み株式数を掛け、市場に流通する浮動株の数で調整した企業規模の尺度です。浮動株調整後時価総額が大きい銘柄ほど、株価の変動がインデックスの水準に与える影響が大きくなります。
浮動株とは、発行済み株式のうち市場に流通している株式のことです。会社の創業者や経営陣、または政府機関が保有し取引できない大量の株式を除外したものです。これらの非取引株は、市場に流通する各構成銘柄の役割をより正確に反映するため、浮動株調整後時価総額加重指数の計算から除外されます。
ダウ平均もS&P500指数も除数で分子を割って、インデックス値を算出します。
ダウ平均の場合、分子は構成銘柄の株価の合計です。S&P500指数の場合は、構成銘柄の時価総額の合計が分子となります。
各インデックスにはそれぞれの除数があります。いずれもインデックスの連続性を維持するために定期的に調整されます。調整は、一つの構成銘柄を除外して別の銘柄を追加するなどの変更に対応するもので、それによってインデックスの水準が大幅に上昇または低下するのを防ぎます。またダウ平均では、構成銘柄の株式分割の際にも株価が低下するため、除数の調整が必要になります。
ダウ平均とS&P500指数ではともに、プライス・リターン指数とトータル・リターン指数の2つのインデックスを算出します。トータル・リターン指数は、プライス・リターンと異なり、構成銘柄の配当を再投資した影響を反映しています。
長期的に見て、ダウ平均とS&P500指数のパフォーマンスには高い連動性があり、同じ市場の要因に反応して上昇したり、低下します。
こうした相関性は、両インデックスが似たようなエクスポージャーを持っている点を考えると、ほとんど意外ではありません。両インデックスはボラティリティも、完全ではないものの、同様の水準になる傾向があります。しかし、構成銘柄とスタイルの差異を反映して、パフォーマンスには重要な違いがあります。
ダウ平均はS&P500指数と比べて構成銘柄がはるかに少ないことから、高いリスクを示す場合があります。ただし、ダウ平均は2009年のような相場下落局面にはS&P500指数に比べて下げ幅が小さくなる傾向があり、2013年や2019年のような相場上昇局面にはS&P500指数に比べて上げ幅が小さくなる傾向があります。この傾向に影響している要因の一つとして、ダウ平均がややバリューを重視し、株価の変動が比較的小さい優良大型株を網羅してきたことが挙げられます。
S&P500指数は、ダウ平均に比べて構成銘柄が分散化しており、ダウ平均より変動が大きくなる傾向があります。その主な要因として、S&P500指数には超大型企業だけでなく、それよりも規模が小さく、超大型企業に比べて株価が大幅かつ頻繁に変動する傾向のある企業が多数含まれているからです。S&P500指数が2001年や2009年などの株価下落局面で大きく低下する一方、2013年や2019年といった力強い相場上昇局面で大幅上昇する一因は、こうしたボラティリティの高さにあります。
ダウ平均とS&P500指数には幾つかの点で違いがあるのは確かです。しかし、それよりもはるかに重要な共通点があります。それは、完全性と信頼性を備えていること、加えて、株式市場のパフォーマンスの指標として、有益な情報を長期にわたり提供してきたことです。
第7章が終了しました。
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