世界の金融市場では、アクティブ運用ファンドに代わる投資手法として、指数連動型ファンドの重要性が高まっています。ここ20年でこうした傾向が強まっており、米国の大型株アクティブ運用ファンドの95%がS&P 500®をアンダーパフォームしています。インデックス運用が拡大している中で、多くのパッシブ投資家は運用手数料を節約し、アクティブ運用のアンダーパフォーマンスを回避することが可能となっています。米国でアクティブ運用ファンドがベンチマークをアンダーパフォームしている要因としては、株式市場の「正の歪度(わいど)」、プロの投資家によるアクティブ運用ファンドの増加、及び高い運用コストなどが挙げられます。
しかし、より狭い市場または特定の市場に特化したアクティブ運用ファンド(いわゆる「テーマ型」ファンドを含む)の相対パフォーマンスに影響を及ぼす要因については十分に理解されていません。本稿では、S&P Kenshoニュー・エコノミー・コンポジット指数のユニバースを使って分析を行い、テーマ型投資の分野においてもアクティブ運用ファンドがベンチマークをアンダーパフォームする傾向があることを説明するとともに、その他の課題についても検証を行います。S&P Kenshoニュー・エコノミー・コンポジット指数のユニバースでは、アクティブ運用による適切な銘柄選択が困難であり、図表1に示されているように、過去4年間において指数構成銘柄の63%がこの指数をアンダーパフォームしています。