はじめに
サステナブル投資が拡大する中で、当社は2019年1月にS&P 500 ESG指数の算出を開始しました。環境、社会、及びガバナンス(ESG)データに基づく指数は、企業が持続可能性に積極的に取り組んでいることを示すための単なる手段ではなく、投資家のポートフォリオにおいて小さな役割しか果たさない戦術的な投資を管理するためのツールでもありません。S&P 500 ESG指数及びその他のサステナビリティ指数は、戦略的かつ長期的な主要投資商品の基礎となるように構築されています。
ここ数十年にわたり、様々な利害関係者や目標を考慮しながら事業運営を行っている企業は、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックスのようなESG指数に採用されてきました。しかし、世界的に有名なESG指数の採用基準は非常に厳しいため、ESG評価が最も高い一握りの企業しかESG指数に採用されていないのが現状です。したがって、これらの指数では構成銘柄が偏る傾向があり、個人投資家や機関投資家はそれに伴うリスクを懸念しています。
S&P 500 ESG指数では、構成銘柄の選択基準にESG要因を組み込むと同時に、ベンチマークと同等のパフォーマンスを提供することを目標としています。S&P 500 ESG指数は、S&P 500構成銘柄の中の300社以上を採用しているため、S&P 500が持つ多くの特徴を反映する一方で、S&P 500より優れたサステナビリティ特性を示しています。
本レポートでは、S&P 500 ESG指数の概要を説明します。この指数の特徴は以下の通りです:
- 指数メソドロジーが理解しやすい
- 過去のデータが示すように、S&P 500 ESG指数とS&P 500のリスク調整後パフォーマンス特性が似ている
- S&P 500 ESG指数はS&P 500よりも優れたESG特性を示している
- S&P 500 ESG指数のメソドロジーに従い、企業を適切に分類・選択することができる