よく言われることですが、ボラティリティはビットコインの「特性」であり、ひいては暗号通貨市場全体の「特性」でもあります。
「特性」という言い方が適切ではないと考える人もいるかもしれませんが、暗号通貨市場は非常に変動の激しい市場であると言えます。トレーダー、資産運用会社、アドバイザー、市場オブザーバーなどは、それぞれの役割に応じて、ボラティリティを上手く利用して収益を上げる、またはボラティリティを抑えることを目指しています。
当社のホワイトペーパーでも言及したように、S&P 暗号通貨指数は高い年率リターンを示していますが、同時にリターンのボラティリティが非常に高いため、ダウンサイド・リスクも大きくなっています(図表1参照。図表は調査対象期間のリターンを示しており、バックテストされたデータに基づいています)。S&P ビットコイン指数を見ると、バックテストされた年率リターンの振れ幅が非常に大きくなっています。
S&P 500®と比較すると、2021年12月31日までの3年間において、S&P 500®の年率リターンは26%、リスク調整後年率リターンは1.5%、年率ボラティリティは17.4%でした。
暗号通貨ポートフォリオのボラティリティを抑えるための新たな指数ソリューションとして、当社はS&P 暗号通貨ダイナミック・リバランス・リスク・コントロール40%指数を開発しました。これらの指数は、コントロールされたボラティリティを測定し、指数リターンを平準化するように設計されています。当社では、ビットコイン及びイーサリアムを対象とするリスク・コントロール指数を算出しています(株式やコモディティなどの伝統的な資産クラスについても、S&P リスク・コントロール指数を算出しています)。図表2では、リスク・コントロール指数の仕組みを概念的に説明しています。