米10年国債利回りは4.5%前後で推移しており、投資家は大きなリスクを取らなくても、魅力的な利回りを確保できるかもしれません。しかし、重要なのは物価が上昇する中で実質的な購買力を維持できるかということです(インフレを加味すると、1999年12月の1,000米ドルは、2024年3月時点では538米ドルの価値しかありません)。インフレと連動する、あるいはインフレを上回るインカムとトータル・リターンを追求する投資家にとって、質の高い配当戦略は魅力的な選択肢であると考えられます。
S&P 高配当貴族指数は約20年前に算出を開始しており、S&P コンポジット1500®指数の構成銘柄の中で20年以上連続して増配している企業のパフォーマンスに連動することを目指しています。このブログでは、この指数の過去の配当成長やリスク/リターンの統計値を検証し、この指数が優良企業のパフォーマンスにどのように連動する傾向があるかを明らかにします。
配当成長、パフォーマンス、及びインフレ
歴史的に見ると、S&P 高配当貴族指数は、長期にわたりインフレ率を上回るペースで増配を行っている企業のパフォーマンスに連動しています。2000年から2023年までの期間において、米ドル建ての配当は4.96%の年平均成長率(CAGR)で増加し、同期間の消費者物価指数(CPI)2を容易に上回りました。
インカム志向の投資家は、長期債と高配当銘柄を互いの代替と見なす場合があります。しかし、S&P 米国債10年超指数の年率リターンは2.55%に過ぎず、ここ15年間にわたりCPIの伸び率を下回っています。一方、S&P 高配当貴族指数は同期間において年率13.86%のリターンを上げており、さらに調査した全ての期間においてCPIの伸び率を上回っています。最後に、S&P 高配当貴族指数はベンチマークであるS&P コンポジット1500指数を全期間にわたり大幅にアウトパフォームしています。