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SPIVAレポートの特別版:SPDR(スパイダー)

スタイル・エクスポージャーとセクター・エクスポージャー

S&P DJIの米国株価指数(2022年半期):CRSP 指数に対する相対リターンの分析

時間的制約とボラティリティ管理

S&P 500 ESG指数のリバランスについて

SPIVAレポートの特別版:SPDR(スパイダー)

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Tim Edwards

Managing Director and Global Head of Index Investment Strategy

S&P Dow Jones Indices

  • この記事に含まれる指数 S&P 500

30年前、ビル・クリントン氏が第42代大統領就任式に向けて準備を進めていた頃、S&P 500®は430ポイントをやや上回る水準で取引されていました。当時のビジネスウィーク誌の最新号では、1993年の株式市場は「銘柄選択が重要な年」になると紹介されていました。一方、ニューヨーク証券取引所では、一般的な株式とは異なるタイプの新しい証券が上場を控えていました。これは、特定の指数の動きに連動する運用成果を目指し、証券取引所で株式のように売買できる画期的な証券です。

2023年1月29日、世界で最も長い歴史のある上場投資信託(スタンダード&プアーズ預託証書(DR)、あるいはSPDR(スパイダー))が米国上場30周年を迎えます。SPDRは世界最大級の投資ファンドであり、最も取引量の多い投資ファンドの1つでもあります。本稿は、当社が定期的に発行しているSPIVA®レポートの特別版であり、上場から29年あまりのSPDRのパフォーマンスについて考察します。

図表1は、アクティブ運用米国株式ファンドとS&P 500の過去30年間のパフォーマンスを比較したものです。この比較では、当社が定期的に発行しているSPIVA米国スコアカードと同じ分析手法及びデータソースを使用し、数値は各四半期末のリターンに基づいています。図表1では、米国大型株コア・カテゴリーと全てのアクティブ運用米国国内株式ファンドの統計値がハイライトされています(オレンジ色と灰色)。

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スタイル・エクスポージャーとセクター・エクスポージャー

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Craig Lazzara

Managing Director, Index Investment Strategy

S&P Dow Jones Indices

当社が発行したS&P 500ファクター・ダッシュボード(2022年12月)には以下の図表1が掲載されています。横軸(X軸)は、ダッシュボードにある17の各ファクター指数のそれぞれのバリュー・スコアとグロース・スコアの加重平均の差(2022年初め時点)を示しています。縦軸(Y軸)は、S&P 500に対する各指数の2022年の相対パフォーマンスを示しています。

図表1は、昨年における各ファクター指数間のパフォーマンスの違いの80%近くが、バリュー・スコアとグロース・スコアの差に起因していることを示しています。2022年にはバリュー指数とグロース指数のリターンに大きな差があったため、当然ながらスタイル・エクスポージャーがファクター指数のリターンに大きな影響を及ぼしました。2022年にはS&P 500バリュー指数S&P 500グロース指数を24%アウトパフォームし、1年間のアウトパフォーム幅としては2000年以降で最も大きく、1995年以降では4番目に大きい水準となりました。

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S&P DJIの米国株価指数(2022年半期):CRSP 指数に対する相対リターンの分析

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Cristopher Anguiano

Senior Analyst, U.S. Equity Indices

S&P Dow Jones Indices

2022年上半期には、サプライチェーンの混乱、インフレに伴う利上げ、及び地政学的緊張の高まりを背景に市場センチメントが悪化し、複雑な投資環境が続きました。S&P 500®は20%下落し、上半期としては1970年以降で最大の下落率となりました。S&P DJIの他の米国株価指数や他社の米国株価指数にはどのような影響があったでしょうか?このブログでは、S&P DJIの様々な米国株価指数とCRSP 株価指数の絶対パフォーマンスと相対パフォーマンスを時価総額セグメントごとに比較・分析します。

S&P コンポジット1500®指数は、S&P 500、S&P 中型株400®指数、及びS&P 小型株600®指数を組み合わせた浮動株調整後時価総額加重指数であり、米国株式市場の時価総額の約90%をカバーしています。しかし、米国株式市場全体に連動することを目指す指数はS&P 1500®指数だけではなく、CRSP 米国総合指数も同じような目的を持っています。

図表1に示されているように、S&P 1500指数は様々な期間においてCRSP 米国総合指数をアウトパフォームしています。時価総額別で見ても、S&P 1500指数を構成するS&P 500、S&P 中型株400®指数、及びS&P 小型株600®指数は複数の期間(主に年初来と1年間)において、それぞれに相当するCRSP 株価指数をアウトパフォームしています。

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時間的制約とボラティリティ管理

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Craig Lazzara

Managing Director, Index Investment Strategy

S&P Dow Jones Indices

周知の通り、長期的に見ると米国株式市場は右肩上がりで上昇しており、1世紀近くにわたり年率10%以上の複利リターンを生み出しています。しかし、短期的に見ると株価が大幅に調整することもあり、例えばS&P 500®は2022年上半期に20%以上下落しました。株価が上昇と下落を繰り返すのは当たり前のことであり、なんら特別なことではありません。すぐに成果を求めない投資家は、相場の動きに一喜一憂する必要はなく、一時的な下落局面は押し目買いのチャンスとなります。

一方、すぐに成果を求める投資家もいます。投資家にはそれぞれ目標があり、目標には時間的制約があります。このような投資家は、長期的な株価上昇の恩恵を享受することはできますが、短期的な下落に対して過度に敏感になる場合もあります。

ディフェンシブ・ファクター指数はこうした問題を解決することができます一般的なファクター指数は、アクティブ戦略を指数化するように設計されています。つまり、通常であれば投資家はアクティブ戦略に対して運用報酬を支払う必要がありますが、ファクター指数はパッシブ運用の形でアクティブ戦略のようなリターンを提供することができます。図表1では、S&P 500に基づく複数のファクター指数の相対リスクと相対リターンを示しています。各ファクター指数のリスク/リターン特性に基づき、ファクター指数をリスク強化指数とリスク軽減指数に大別することができます。グラフの左側がリスク軽減指数、右側がリスク強化指数となります。

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S&P 500 ESG指数のリバランスについて

今年もまたリバランスの時期がやってきました。季節が移り変わり、春の陽気が漂う中で、S&P 500® ESG指数は4回目の年次リバランスを行いました。この指数は、幅広いセクターをカバーしつつ、サステナビリティ基準を満たす証券のパフォーマンスを測定するように設計されています。これまでのリバランスと同様に、今回のリバランスにおいても、こうした指数の特性を踏まえながら構成銘柄の入れ替えを行いました。

本ブログでは、今回のリバランスで行った変更について詳細に見ていきます。

結果

S&P 500 ESG指数のメソドロジーは、持続可能性を重視する投資家のセンチメントを反映するように設計されています。このことは、当社が最近行った「適格性要件に関する相談」の結果においても明確に示されています。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスはこの相談の結果を踏まえた上で、除外基準の見直しと拡大を行いました。その結果、小型兵器、軍需品供給契約、及びオイルサンドといった特定の事業活動に関与している企業を構成銘柄から除外することにしました。その他にも、事業内容や国連グローバル・コンパクト(UNGC)に基づく除外に関して、適格性チェックの頻度を増やすことを決定しました。このように様々な改善を行いましたが、S&P 500 ESG指数の主な目的は変化しておらず、全体としてS&P 500と同様のセクター・ウェイトを維持しながら、指数の全体的なサステナビリティ・プロファイルを改善することを目指しています。実際に、この指数はこれら2つの目的を達成できており、S&P 500と同様のリスク・リターン特性を維持する一方で、S&P 500を上回るS&P DJI ESGスコアを達成しています(図表1参照)。さらに、ここ1年間ではS&P 500をややアウトパフォームすることができています(図表2参照)。

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