S&P 500®は2 月19 日、3,386 の史上最高値で取引を終えましたが、そのちょうど1 ヶ月後の昨夜は2,409 で取引を終え、最高値から29%下落しました。この1 ヶ月間の出来事を振り返ってみます。
先ず、今回の下落を歴史的な視点から検証を始めます。ダウ工業株平均については高値から底値までの下落率は 33%となっており、これは 2000 年から 2001 年にかけての IT バブル崩壊時の下落率に匹敵します。2008 年の世界 金融危機時に見られた 54%の下落率にはまだ達しておらず、また、大恐慌時の 89%の下落率に匹敵する水準に達 するには、今回のコロナ危機がさらに悪化する必要があると考えられます。今回の下落の特徴は、そのスピードの速さ にあります。これまでの下落は数ヶ月から数年にわたり起こっていましたが、今回の下落はわずか ヶ月足らずで起き ており、1987 年の異常事態を彷彿させるような取引日もありました。