日本取引所グループ(以下「JPX」)傘下の東京証券取引所は、世界有数のインデックスプロバイ ダーである S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス(以下「S&P DJI」)と日本における環境・社 会・ガバナンス(ESG)市場の透明性を高め、成長をサポートするため、S&P/JPX 500 ESG スコ ア・ティルト指数シリーズを共同で算出を開始します。
この革新的な S&P/JPX 500 ESG スコア・ティルト指数は、広く支持されている TOPIX 500 指数の ESG 特性を向上させ、親指数と同様のリスク・リターンプロファイルを提供するよう設計されて います。この指数シリーズには以下の指数が含まれ、S&P/JPX 500 ESG スコア・ティルト指数 (傾斜 0.5)が標準的な指数となります。
- S&P/JPX 500 ESG スコア・ティルト指数(傾斜 0.25)
- S&P/JPX 500 ESG スコア・ティルト指数(傾斜 0.5)
- S&P/JPX 500 ESG スコア・ティルト指数(傾斜 1.0)
- S&P/JPX 500 ESG スコア・ティルト指数(傾斜 2.0)
JPX 取締役兼代表執行役グループ CEO の清田瞭(きよた あきら)は、「日本取引所グループは、 2017 年 12 月、世界各国の取引所による持続可能な社会の実現を図る取組みである『Sustainable Stock Exchanges Initiative』に参加しました。近年では、2020 年に上場会社による自主的な ESG 情報開示を支援するために『ESG 情報開示実践ハンドブック』を作成・公表し、更に『JPX ESG Knowledge Hub』を開設するなど、上場会社の ESG 情報開示をサポートしてきました。こうした なか、S&P DJI とのパートナーシップにより、今般新たな ESG 総合型指数を提供することで、ESG への取組みを更に後押しできることを嬉しく思います。」と述べています。
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス CEO ダン・ドレイパーは、「当社は、日本取引所グループ との長年のパートナーシップを誇りに思います。また、環境、社会、ガバナンスの原則を意思決定 プロセスに取り入れようとする世界の投資家の意識と意欲に応えるため、取引所とのパートナーシ ップを進化、拡大し続けていることを光栄に思っています。この素晴らしい展開は、独立した『指 数』の開発を通して、日本、アジア、そして世界の金融市場における持続可能性の促進・推進を支 援するという我々の共同コミットメントを明確にするものです」と述べています。
【指数の概要】
S&P/JPX500 ESG スコア・ティルト指数の構成銘柄は、5 月と 11 月のリバランス時に、GICS®産 業グループやセクターの中立性を維持しつつ、TOPIX500 の浮動株調整後の時価総額のウェイトか ら S&P DJI ESG スコアの高い企業のウエイトを引き上げ、S&P DJI ESG スコアの低い企業のウェ イトを引き下げます。S&P DJI ESG スコアは、S&P コーポレート・サステナビリティ評価(CSA) に基づいた S&P グローバル ESG スコアから算出されています。さらに、この指数は、国連グロー バル・コンパクトの原則に違反する企業や、ESG に係る論争の対象となっている企業を除外してい ます。
S&P/JPX 500 ESG スコア・ティルト指数シリーズは、個人投資家や機関投資家が、広範で多様な 投資対象を維持しながら ESG エクスポージャーを高めたいというニーズに応えています。 S&P/JPX500 ESG スコア・ティルト指数は、TOPIX 500 に採用されている企業の ESG パフォーマ ンスを測定する透明性の高いツールとして機能し、日本企業が同業他社に対してESGパフォーマン スをより高める動機付けにも貢献します。
この指数は、度合いの違うESGスケーリングファクターを加重スキームに適用することで、異なる ESG の傾斜(ティルト)を実現します。例えば、S&P/JPX 500 ESG スコア・ティルト指数(2.0) のような最も高いスケーリングファクターを反映した場合、S&P DJI ESG スコアを相対的に高いか たちで改善することを意味しますが、同時に親指数と比較して各構成銘柄のウェイトに大きな差が 生じることも意味します。指数はリアルタイムで算出されます。
過去 10 年間の平均では、TOPIX 500 に対して S&P DJI ESG スコアを 12~40%向上させ、年間トラ ッキングエラーは 0.5~1.5%となっています。