歴史的合意であるパリ協定が採択されたことを受け、人類の気候変動との戦いは大きな転機を迎えました1。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめた報告書にも記載されているように、地球の平均気温の上昇を産業革命前の水準から1.5°C以内に抑えるべく様々な取り組みが進められています。
これまでのところ、環境意識の高い投資家は主にポートフォリオの相対的な炭素エクスポージャーを減らすことに注力してきましたが、メソドロジーが適切ではないなどの理由により、いわゆる「グリーンウォッシュ(環境に配慮しているように見せかけて、実際には環境の改善に寄与していないこと)」の問題が起きています。一時的な状況を分析しただけでは、低炭素社会への移行が着実に進んでいるかどうかを確認することはできません。こうした中で、新たなデータセットが蓄積され、革新的な指数ソリューションが開発されています。これらのソリューションを活用することで、投資家は1.5°Cシナリオに沿った投資を行い、環境負荷の軽減に貢献することが可能となります。欧州連合(EU)は、気候移行ベンチマーク(CTB)及びパリ協定準拠ベンチマーク(PAB)を定義するための基準をまとめており、CTB及びPABではともに、炭素削減に関する相対的な尺度ではなく、1.5°Cシナリオに沿った絶対的な尺度が採用されています2。当社のS&P PACT指数は、提言された基準を満たすだけでなく、その他の気候目標の達成にもつながるような革新的な投資ソリューションとなっています。この新たなサステナブル気候指数を活用することにより、投資家は以下のようなメリットを享受することができます:
- パリ協定に準拠するだけでなく、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを達成するために、5°Cシナリオに合致した投資を行う
- EU CTB及びPABの推奨基準や、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に準拠した戦略を採用し、気候変動により生じる物理的リスク、移行リスク、及び機会に配慮する
- 数多くの気候目標に効率的に取り組む一方で、できる限り原指数に近い構成を維持し、幅広く分散されたエクスポージャーを確保する