- ESG データに関する「バックワード・データ・アサンプション」とはどのような意味ですか?一般に S&P DJI では、バックテストされた指数データを作成する際に、関連するデータベースから取り出したデータ、または実際のデータを使用します。例えば、過去の株価、時価総額、及びコーポレーション・アクションに関するデータなど、構成銘柄レベルのデータを使用します。S&P DJI の ESG 指数の算出では様々なデータポイントを使用しますが、ESG 投資はまだ開発の初期段階にあるため、データ不足により、バックテストの全ての対象期間をカバーできない場合があります。このようなケースでは、S&P DJI は ESG データの「バックワード・データ・アサンプション」(または、引き戻し)と呼ばれるプロセスを通じて、バックテストされた過去のパフォーマンスを算定する場合があります。「バックワード・データ・アサンプション」とは、指数構成銘柄に関して入手可能な実際のデータポイントのうち最も過去のものを、バックテストのパフォーマンスの算定に適用するプロセスです。例えば、仮に全ての適格構成銘柄に関する製品関与データ(企業がどのような製品の生産・販売に関与しているかを示すデータ)が必要であることが指数メソドロジーで定められており、ある企業について実際の製品関与データが 2015 年以降しか入手できない場合、S&P DJI はその企業の 2015 年時点の製品関与データを使用し、2010 年から 2014年までのバックテスト・データを計算します。
- ESG データに関する「バックワード・データ・アサンプション」が必要になる場合があるのはなぜですか?データ不足により、バックテストの全ての対象期間をカバーできない場合、バックワード・データ・アサンプションを用いることで、指数の特性やリスク・リターン特性をより明示的に表すことが可能となります。また、バックワード・データ・アサンプションを採用することで、実際のデータだけを使用する場合と比べて、仮説に基づくバックテストの期間を長くとることが可能となります。多くの ESG データ・プロバイダーでは、当初はバックテストの対象期間が限定されていましたが、ここ数年は対象期間が拡大されています。実際の過去データのみを使用してバックテストを行ったとしても、指数構成銘柄の特性を十分にバックテストに反映させることができない場合も多くあります。ESG データについてバックワード・データ・アサンプションを採用しない場合、バックテストの対象期間が長くなればなるほど、指数ユニバースの中でバックテストに使用できる企業の数は少なくなります。したがって、S&P DJI ではバックワード・データ・アサンプション・メソドロジーを採用することで、より長い期間を対象としたバックテストを行い、構成銘柄の特性をバックテストに反映させています。