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よくある質問(FAQ) ESG のバックテスト:バックワード・データ・アサンプションに関す る概要

よくある質問(FAQ)S&P 暗号通貨指数シリーズ

気候変動への対応 – あらゆる目的に沿った指数

米国の代表的な株価指数であるS&P 500®とDJIA®の比較

気候シナリオ、実質ゼロ、および不確実性

よくある質問(FAQ) ESG のバックテスト:バックワード・データ・アサンプションに関す る概要

  1. ESG データに関する「バックワード・データ・アサンプション」とはどのような意味ですか?一般に S&P DJI では、バックテストされた指数データを作成する際に、関連するデータベースから取り出したデータ、または実際のデータを使用します。例えば、過去の株価、時価総額、及びコーポレーション・アクションに関するデータなど、構成銘柄レベルのデータを使用します。S&P DJI の ESG 指数の算出では様々なデータポイントを使用しますが、ESG 投資はまだ開発の初期段階にあるため、データ不足により、バックテストの全ての対象期間をカバーできない場合があります。このようなケースでは、S&P DJI は ESG データの「バックワード・データ・アサンプション」(または、引き戻し)と呼ばれるプロセスを通じて、バックテストされた過去のパフォーマンスを算定する場合があります。「バックワード・データ・アサンプション」とは、指数構成銘柄に関して入手可能な実際のデータポイントのうち最も過去のものを、バックテストのパフォーマンスの算定に適用するプロセスです。例えば、仮に全ての適格構成銘柄に関する製品関与データ(企業がどのような製品の生産・販売に関与しているかを示すデータ)が必要であることが指数メソドロジーで定められており、ある企業について実際の製品関与データが 2015 年以降しか入手できない場合、S&P DJI はその企業の 2015 年時点の製品関与データを使用し、2010 年から 2014年までのバックテスト・データを計算します。

  1. ESG データに関する「バックワード・データ・アサンプション」が必要になる場合があるのはなぜですか?データ不足により、バックテストの全ての対象期間をカバーできない場合、バックワード・データ・アサンプションを用いることで、指数の特性やリスク・リターン特性をより明示的に表すことが可能となります。また、バックワード・データ・アサンプションを採用することで、実際のデータだけを使用する場合と比べて、仮説に基づくバックテストの期間を長くとることが可能となります。多くの ESG データ・プロバイダーでは、当初はバックテストの対象期間が限定されていましたが、ここ数年は対象期間が拡大されています。実際の過去データのみを使用してバックテストを行ったとしても、指数構成銘柄の特性を十分にバックテストに反映させることができない場合も多くあります。ESG データについてバックワード・データ・アサンプションを採用しない場合、バックテストの対象期間が長くなればなるほど、指数ユニバースの中でバックテストに使用できる企業の数は少なくなります。したがって、S&P DJI ではバックワード・データ・アサンプション・メソドロジーを採用することで、より長い期間を対象としたバックテストを行い、構成銘柄の特性をバックテストに反映させています。

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よくある質問(FAQ)S&P 暗号通貨指数シリーズ

S&P 暗号通貨指数

  1. S&P 暗号通貨指数とは何ですか?:これらの指数は、暗号通貨(本資料では「コイン」とも呼ぶ)のパフォーマンスを測定するように設計されています。最低流動性基準と最低時価総額基準を満たす暗号通貨が指数に採用されており、Lukkaが発行するLukka Primeデータ商品でカバーされているプライマリー市場に含まれる取引機関(本資料では「取引所」と呼ぶ)に上場している暗号通貨が対象となります。暗号通貨の世界では、ある時点におけるコインの供給量(質問18で説明)にコインの価格を乗じて時価総額を計算します。この「よくある質問(FAQ)」で使われる「取引所」という言葉は、米証券取引委員会(SEC)に登録されている米国の証券取引所、または他の国や地域で登録されている証券取引所とは異なります。

  1. S&P 暗号通貨指数シリーズが開発された理由は?:S&P 暗号通貨指数シリーズは、拡大しつつある暗号通貨市場に透明性をもたらすために開発されました。詳しい背景については、こちらのサイトをご覧ください(https://www.spglobal.com/spdji/en/landing/investment-themes/sp-cryptocurrency-indices/)。
  2. S&P 暗号通貨指数シリーズにはどのような指数がありますか?:2021年7月13日現在、S&P 暗号通貨指数シリーズには以下の8つの指数が含まれています:
    • S&P ビットコイン指数:この指数は、デジタル資産であるビットコインのパフォーマンスに連動するように設計されている。
    • S&P イーサリアム指数:この指数は、デジタル資産であるイーサリアムのパフォーマンスに連動するように設計されている
    • S&P 暗号通貨メガキャップ指数:この指数は、デジタル資産であるビットコインとイーサリアムのパフォーマンスに連動するように設計されており、時価総額によってウェイトが決まる。
    • S&P 暗号通貨総合デジタル市場(BDM)指数:この指数は、最低流動性基準と最低時価総額基準を満たすデジタル資産のパフォーマンスを測定するように設計されており、当社が採用する価格プロバイダーであるLukkaがカバーするデジタル資産を対象としている。この指数は、広範な投資可能ユニバースを反映することを目標とする。
    • S&P 暗号通貨ラージキャップ指数:この指数は、S&P 暗号通貨BDM指数のサブセットであり、時価総額の最も大きい構成暗号通貨のパフォーマンスに連動するように設計されている。
    • S&P 暗号通貨BDM(除くメガキャップ)指数:この指数は、S&P 暗号通貨総合デジタル市場指数の構成暗号通貨(S&P 暗号通貨メガキャップ指数の構成暗号通貨を除く)のパフォーマンスに連動するように設計されている。
    • S&P 暗号通貨BDM(除くラージキャップ)指数:この指数は、S&P 暗号通貨総合デジタル市場指数の構成暗号通貨(S&P 暗号通貨ラージキャップ指数の構成暗号通貨を除く)のパフォーマンスに連動するように設計されている。
    • S&P 暗号通貨ラージキャップ(除くメガキャップ)指数:この指数は、S&P 暗号通貨総合デジタル市場指数の中で時価総額の大きい構成暗号通貨(S&P 暗号通貨メガキャップ指数の構成暗号通貨を除く)のパフォーマンスに連動するように設計されている。

    これらの指数に関する詳細については、S&P デジタル市場指数メソドロジーを参照ください。

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気候変動への対応 – あらゆる目的に沿った指数

Contributor Image
Jaspreet Duhra

Managing Director, Global Head of Sustainability Indices

S&P Dow Jones Indices

サマリー

  • 世界は、気候変動のリスク及び影響を減らすために温室効果ガス排出量を削減する必要性に迫られています。投資家を含む利害関係者の責任ある行動が求められています。
  • S&P DJIは、S&P グローバルの一部門であるTrucostが作成する詳細な気候データセットを活用し、革新的な気候指数を開発しています。
  • S&P DJIの気候変動指数は、不適切な投資対象の除外(ダイベストメント)、脱炭素化、及びリスク回避から、科学的根拠に基づく5°Cシナリオへの合致に至るまで、投資家の幅広い目的に対応しています。

気候変動指数を開発した理由は?

科学的事実

国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、「人間の活動により、世界の平均気温は産業革命前の水準と比べて約1.0°C上昇したと推定される」と表明しました1。世界の現在の気候政策はベースライン排出量を削減することを目指していますが、それでも世界の平均気温は2100年までに3.0°C上昇すると予測されています2。IPCCは、世界の気温上昇を産業革命前の水準から1.5°C未満に抑えることを勧告しています。

地球温暖化に伴う環境や生態系への影響がすでに観測されています。エコシステムの崩壊が進んでおり、一部の影響は長期にわたり継続すると予想され、元の状態に戻らない可能性もあります。

規制

人間の行動が地球温暖化を招いているということは科学的コンセンサスであり、こうした中で政府や規制当局は措置を講じています。2015年12月にはパリ協定が採択され、人類は気候変動対策における大きな一歩を踏み出しました。パリ協定では、IPCCが提言したように、地球の温暖化を産業革命前の水準と比較して2°Cより十分低く保つとともに、1.5°Cに抑える努力を追求することが掲げられ、危険な気候変動を避けるための国際的枠組みが合意されました3。国連気候変動枠組条約の1974の締結国の内、189ヵ国がパリ協定を批准しており、これらの批准国はそれぞれ、「国が決定する貢献(世界の温室効果ガス排出量削減目標に対する個別国の貢献)」を公約しています。

欧州連合(EU)はEU全体で温室効果ガス排出量を2030年までに1990年比で40%削減することを公約しています。パリ協定の下でEUの公約を支援するため、EUは「欧州グリーンディール5」を採択しました。欧州グリーンディールとは、持続可能な金融のワークストリームやサステナブル・ファイナンス行動計画6(気候中立な経済への移行に向けて民間投資を促すための意欲的なプロジェクト)などを柱とする気候変動対策です。EUの権限は広範囲に及んでおり、自主的な気候ベンチマーク・ラベルに関する規制は、パッシブ投資家にとって特に重要なものとなります。これについては、後述の「(EU)パリ協定準拠ベンチマーク及び気候変動指数」のセクションを参照ください。

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米国の代表的な株価指数であるS&P 500®とDJIA®の比較

はじめに

米国大型株の動向を表す S&P 500 とダウ・ジョーンズ工業株平均®(DJIA) はともに世界で最も有名な株価指数となっています。これらの指数が開発 されたことにより、投資家が株式市場を測定する方法や、投資ポートフォ リオのパフォーマンスを評価する方法が変わりました。また、これらの指 数は、世界で最も成功している指数連動型商品やデリバティブ契約の基礎 としての役割も果たしています。

当社の推定によると、2019 年末時点で、S&P 500 をベンチマークとする 運用資産の総額は 112,000 億ドルを超えており、そのうち S&P 500 に パッシブに連動する運用資産は 46,000 億ドルに上っていました。一方、 DJIA をベンチマークとする運用資産の総額は 320 億ドルとなっており、 そのうち DJIA にパッシブに連動する運用資産は 280 億ドルに上っていま した1。

上記の推定によると、S&P 500 DJIA よりも多くの運用資産を集めてい ます。しかし、DJIA にもいくつかの強みがあり、例えば DJIA はよりシン プルな株価指数となっています。また、DJIAS&P 500 よりも長い歴史 を有しており、2021526 日には算出開始から 125 周年を迎えました。 過去のレポート2でも言及したように、DJIA に連動する投資商品の取引高 は、DJIA をベンチマークとする運用資産の残高よりも多くなっています。

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気候シナリオ、実質ゼロ、および不確実性

エグゼクティブ・サマリー
• 温室効果ガス排出量実質ゼロ宣言に署名する運用機関が増え始めてお り、「ネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス」および「ネッ トゼロ・アセット・マネジャーズ・イニシアチブ」に参加する運用機 関の資産はそれぞれ 5 兆 7,000 億ドルおよび 37 兆ドルに上っていま す

• 楽観的な目標を達成できたとしても、世界は 1.5℃シナリオを達成で きないと考えられています(図表 1参照)。
• 科学的コンセンサスによると、1.5℃目標を達成するためには、2050 年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする必要があります。一 方、2℃目標を達成するには、それよりも遅い 20702080 年頃まで に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする必要があります。
• 絶対的温室効果ガス(GHG)排出量削減(特定のシナリオを追跡す る)では、これらの目標達成に合致している一方で、相対的温室効果 ガス排出量削減(原指数に対する削減)はより適切ではあるものの、 必ずしもこれらの目標達成に合致していません。
S&P PACT 指数(S&P パリ協定準拠気候変動指数)は、絶対的脱 炭素化目標を達成するように設計されています。

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