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アジアの米ドル建てハイ・イールド債券市場に対するディフェンシブ戦略

TalkingPoints: アジア市場における指数の流動性に関する考察

環境に優しい未来に向けた自動車産業の動き

よくある質問(FAQ) S&P 500®ツイッター・センチメント指数シリーズ

TalkingPoints S&P 500 ®ツイッター・センチメント指数シリーズにより、ソーシャル・メディアが市場に及ぼす影響を測定する

アジアの米ドル建てハイ・イールド債券市場に対するディフェンシブ戦略

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Kangwei Yang

Director, Fixed Income Indices

S&P Dow Jones Indices

市場概況(2021年~現在)

国際的な投資家は長期にわたりアジアの米ドル建てハイ・イールド債券市場を米国の伝統的なハイ・-ルド債券市場の代替的な投資ユニバースと捉えています。結果として、ジャンク債市場は大きな成長を遂げており、2012年~2020年において発行総額は約6倍に増加しました。しかし、アジアのハイ・イールド債券市場では、主に中国の不動産市場への大きなエクスポージャーにより、ここ12ヵ月~18ヵ月においてやや混乱が見られます。ここ10年間において、中国の不動産会社は安いコストで大量の債券を発行し、事業資金を調達しました。中国の規制当局が新たな規則を導入し、金融システムに対してレバレッジ解消を促したことから、こうした状況が変化しました。一方、不動産会社は流動性の確保に向けて在庫を売却することができなかったため、不動産セクターでは流動性危機が生じ始めました。売上高で中国第2位の不動産開発会社である中国恒大集団は2021年9月、米ドル建て債務の利払いを行うことができませんでした。それ以降、多くの有名な企業が中国の不動産セクターの危機に巻き込まれました。「iBoxx 米ドル建てアジア ハイ・イールド債(中国不動産セクター、日本を除く)」の中で2021年4月時点の時価総額が上位5つの発行体が、ここ12ヵ月において米ドル建て債務の利払いを行うことができませんでした。

2022年5月31日現在、「iBoxx 米ドル建てアジア・ハイ・イールド社債(日本を除く)」の中で12以上の異なる中国の不動産会社が、米ドル建て債務の利払いを行うことができておらず、この指数から除外された発行額合計は350億ドルを超えました。

アジアの米ドル建てハイ・イールド債券市場に対するディフェンシブ戦略: 図表 1

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TalkingPoints: アジア市場における指数の流動性に関する考察

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Izzy Wang

Senior Analyst, Factors and Dividends

S&P Dow Jones Indices

アジアの市場参加者がアジアの取引時間中に米国の株式市場に参加する上で、指数の流動性はどのような役割を演じるでしょうか?

  1. S&P 500®とダウ・ジョーンズ工業株平均®DJIA®)の主な違いは何ですか?これらの指数に連動する投資商品の流動性と出来高はなぜ重要なのですか?

    Izzy:S&P 500とダウ・ジョーンズ工業株平均は、米国大型株の値動きを表す代表的な株価指数です。これらの指数は多くの世界的大手企業を構成銘柄としており、上場投資信託(ETF)、インデックス・ファンド、さらにはデリバティブ、先物、およびオプションといった多くの投資商品の基礎としても利用されています。

これら2つの株価指数の主な相違点の1つは、ウェイトの設定方法です。DJIAは株価加重指数である一方、S&P 500は時価総額加重指数となっています。構成銘柄数も大きく異なり、DJIAが30銘柄であるのに対してS&P 500は500銘柄です。また、DJIAには公益事業会社や運輸会社が含まれておらず、これらはダウ・ジョーンズ公共株平均とダウ・ジョーンズ輸送株平均でそれぞれカバーされています。

ニュースやメディアでは、これらの指数に連動するパッシブ商品の運用資産残高がどれだけ増加したかが注目されているように思われます。その一方で、これらの商品の流動性や出来高についてはあまり報道されておらず、透明性も欠けています。これは残念なことです。なぜならば、これらの商品の裁定取引が十分に行われているかどうかを評価する上で、出来高は重要な指標であるからです。例えば、投資家は投資商品を売買する際には、裁定取引が十分に行われ、ETFとETFが連動を目指す指数の構成銘柄が同等の価格で取引されているかを確認します。

市場が下落し、流動性が低下した場合でも、ETFが連動を目指す指数の構成銘柄に十分近い価格でETFを売却することができるでしょうか?このような場合には、市場の効率性が重要となり、投資家層が厚く流動性が高い指数であることが特に重要となります。S&P 500とDJIAはともに長い歴史を持つ株価指数であり、これらの指数に連動する投資商品も十分な流動性を維持できる傾向があります。また、これらの投資商品は様々な裁定取引の対象となっており、メディアでも頻繁に報道されています。

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環境に優しい未来に向けた自動車産業の動き

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Izzy Wang

Senior Analyst, Factors and Dividends

S&P Dow Jones Indices

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Jason Ye

Director, Factors and Thematics Indices

S&P Dow Jones Indices

エグゼクティブ・サマリー

気候変動の問題は世界経済にとって深刻なリスクであり、あらゆる人がその脅威にさらされています。世界経済の脱炭素化を推進するためには、化石燃料車から電気自動車への移行が重要なステップの1つになると考えられています。ここ数年にわたり電気自動車の普及が加速しており、世界の電気自動車の販売台数は2012年以降、毎年56%のペースで増加しています。電気自動車の2021年の販売台数は前年比で倍増し、675万台の過去最高を記録しました(図表1参照)。今後、化石燃料車の生産の制限(または禁止)、電気自動車の購入に対する税額控除、電気自動車に対する若者の人気の高まり、及び充電インフラへの膨大な投資などにより、電気自動車の需要と供給は引き続き拡大すると予想されます。エンジン車から電気自動車へのシフトが世界的に進む中で、市場参加者にとって大きな投資機会が提供されています。

環境に優しい未来に向けた自動車産業の動き: 図表 1

電気自動車の時代が到来しつつある

20ヵ国以上の国が、今後30年間にわたり内燃機関エンジン(ICE)搭載車の新たな販売を段階的に廃止する意向を発表しており、多くの国が2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとする目標を掲げています。英国は2035年までに、ガソリン車やディーゼル車の新たな販売を禁止することを決めています。米国政府は、2030年までに新車販売台数の半分を電気自動車にする目標を定めており、米国全土に充電スタンドを設置するために75億ドルの予算を計上しています。一方、伝統的な大手自動車メーカーは電気自動車の開発を加速させています。ゼネラルモーターズは2035年までに全車種を電動化する目標を設定しており、フォードは2030年までに自動車製造の40%を電気自動車にすることを目指すと発表しました。国際エネルギー機関(IEA)の予測によると、全ての国が目標を達成するためには、世界の電気自動車の販売台数は2030年までに2,500万台に増加する必要があり、これは市場シェアの15%に相当します(図表2参照)。

環境に優しい未来に向けた自動車産業の動き: 図表 2

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よくある質問(FAQ) S&P 500®ツイッター・センチメント指数シリーズ

  1. S&P 500ツイッター・センチメント指数シリーズとは何ですか?:S&P 500ツイッター・センチメント指数シリーズでは、S&P 500の構成銘柄のティッカーシンボルの付いたキャッシュタグ($マークの後に企業のティッカーシンボルが記載されたタグ)を含むツイートに基づいてセンチメント・スコアを算出し、このスコアを基準としてS&P 500の構成銘柄をスクリーニングします。機械学習及び自然言語処理(NLP)を活用し、これらのツイートをスクリーニングし、スコアを付与します。ツイートのスコアに基づいて、S&P 500の各構成銘柄のスコアを日々算出します。毎月のリバランスにおいて、スコアの高い構成銘柄を選択し、各S&P 500ツイッター・センチメント指数を構築します。S&P 500ツイッター・センチメント指数の詳細については、指数メソドロジーを参照ください:https://www.spglobal.com/spdji/en/documents/methodologies/methodology-sp-twitter-sentiment- pdf

  1. S&P 500ツイッター・センチメント指数シリーズを開発した理由は?:S&P 500ツイッター・センチメント指数シリーズは、S&P 500の中で一定期間にわたり最もポジティブなセンチメントを示す銘柄のパフォーマンスを反映するように開発されました。
  2. S&P 500ツイッター・センチメント指数シリーズにはどのような指数が含まれますか?:2021年11月18日時点で、この指数シリーズは以下の指数で構成されています:

    S&P 500ツイッター・センチメント指数:この指数は、S&P 500の構成銘柄の中で最もポジティブなセンチメントを持つ200銘柄のパフォーマンスに連動するように設計されています。この指数の銘柄は、浮動株調整後時価総額(FMC)ベースで加重され、リバランス時点で10%のウェイト上限が適用されます。

    S&P 500ツイッター・センチメント・セレクト均等加重指数:この指数は、S&P 500の構成銘柄の中で最もポジティブなセンチメントを持つ50銘柄のパフォーマンスに連動するように設計されています。この指数の銘柄は、リバランス時点で均等に加重されます。

    これらの指数の採用候補銘柄となるためには、過去1ヵ月間において、企業のティッカーシンボルの付いたキャッシュタグを含む十分な数のツイートが行われている必要があります(フィルタリングを適用し、スパム・ツイート(規約に違反する有害ツイート)を除外する)。また、企業のセンチメント・スコアが一定基準を満たしていることも指数への採用の条件となります。ツイートの数は市場動向の影響で変化するため、ツイートの数が不十分な企業の数も月によって変化します。両指数では、リバランス時点で日々のスコアに対して減衰因子を適用しており、最新の情報がより重要視されるように設計されています。


TalkingPoints S&P 500 ®ツイッター・センチメント指数シリーズにより、ソーシャル・メディアが市場に及ぼす影響を測定する

ソーシャル・メディアの普及が進んでおり、ソーシャル・メディアは各国の地域社会において重要な役割を果たしています。本稿では、ソーシャル・メディアの影響力を金融市場の観点から分析します。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス(S&P DJI)が算出を開始したS&P 500 ®ツイッター・センチメント指数シリーズは、ソーシャル・メディアのセンチメントを測定するように設計された初めての指数です。S&P DJIのイノベーション及び戦略部門でディレクターを務めるTherese Simbergが、この指数の開発と、革新的な指数ソリューションの進化におけるこの指数の意味合いについて議論します。また、この指数を使用し、ソーシャル・メディアのセンチメントを把握する実用的な方法についても紹介します。

  1. この指数シリーズを開発するきっかけとなった要因は?

    ここ数年においてソーシャル・メディアの普及が進んでいる中で、株式や金融市場についてツイートする人が増えています。トレーダー、アナリスト、及び投資家などの業界関係者に加え、一般の人々もそれぞれの意見を発信しています。

    テクノロジーの進歩により、ツイートの内容を分析することが可能となっています。分析結果を集約することで、特定の企業についてオンライン・コミュニティで述べられていることを解釈し、理解することができます。この指数では、ツイッター上で特定の銘柄に言及していることを示唆する「キャッシュタグ($マークの後に企業のティッカーシンボルが記載されたタグ)」を含んでいるツイートに注目します。人工知能(AI)を通じて特定の銘柄に関するツイートを分析し、それらのツイート内の総体的な意見に基づいて、その銘柄に対する全体的なセンチメントがポジティブなのか、またはネガティブなのかを判断します。ツイッター・コミュニティの意見に基づいて銘柄を分類し、それらの意見を反映した指数を構築することができるようになったため、ツイートの分析は指数ソリューションの開発に役立っていると言えます。

    以上をまとめると、S&P 500ツイッター・センチメント指数は、S&P 500の構成銘柄の中でツイッター・コミュニティが最もポジティブなセンチメントを示唆している企業のパフォーマンスを反映するように開発されました。S&P 500ツイッター・センチメント指数は、同業他社と比べてポジティブなセンチメントを持つ企業で構成されています。


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