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在宅勤務が浸透する中で、効率的なコラボレーションを実現する

水素経済への移行に伴う投資機会

S&P 500® は、なぜ日本にとって重要 なのか?

S&P PACTTM指数(S&P パリ協定準拠指数及び気候変動指数)を通じた1.5°Cシナリオへの移行

よくある質問(FAQ) ESG のバックテスト:バックワード・データ・アサンプションに関す る概要

在宅勤務が浸透する中で、効率的なコラボレーションを実現する

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Jason Ye

Director, Factors and Thematics Indices

S&P Dow Jones Indices

はじめに

コロナ禍が始まって以降、経済・社会情勢は大きく変化しており、職場におけるコミュニケーションのあり方や共同作業の進め方なども大きく変化しています。人々がコロナ禍後の世界について考え始める中で、各国の企業は働き方改革に取り組んでいます。経済活動の再開が進んでおり、今後はより柔軟な勤務形態が一般的になると考えられます。したがって、従業員が効率的に共同作業を進められるよう、企業は支援体制を整える必要があります。

エンタープライズ・コラボレーションがその答えとなる可能性があります。エンタープライズ・コラボレーションとは、社内におけるコミュニケーションや業務の遂行を支援するように設計された一連のソリューションです。このソリューションを導入することで、従業員は様々なツール、プラットフォーム、グループウェア、及びネットワークなどを活用し、社内全体で連携を強化することが可能となります。エンタープライズ・コラボレーションの市場規模は2021年時点で472億ドルでしたが、2026年には858億ドルに拡大すると予想されています。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは、エンタープライズ・コラボレーション市場に関わる企業のパフォーマンスに連動するS&P Kenshoエンタープライズ・コラボレーション指数の算出を開始しました。

2020年から2022年にかけて、世界の企業の55%が在宅勤務制度を導入しました。エンタープライズ・コラボレーションにより、個人やチームがインターネットを通じて協力して働くことが可能となり、これによってリモートワークのスタイルが定着しました。新型コロナウイルスが発生して以

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水素経済への移行に伴う投資機会

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Jason Ye

Director, Factors and Thematics Indices

S&P Dow Jones Indices

エグゼクティブ・サマリー

第四次産業革命では、再生可能エネルギーの普及・拡大を進めるだけでなく、エネルギー・システム全体の効率化を図ることが重要となります。水素エネルギーは、各国がエネルギー転換を推進する上で重要な役割を果たす可能性があります。国際エネルギー機関(IEA)によると、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを達成するためには、低炭素の水素エネルギーの開発に1兆2,000億ドル規模の投資を行い、水素エネルギーの供給と利用を促進する必要があります。また、世界の主要自動車メーカーやエネルギー関連企業で構成する水素協議会の予測によると、世界の水素エネルギー市場は2050年までに2兆5,000億ドル規模に達する可能性があります。さらに、米エネルギー省の予測によると、水素経済への移行を促進することにより、2050年までに推定7,500億ドルの年間売上高を生み出し、累計で340万人の雇用を創出できる可能性があります。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスは、機械学習や自然言語処理などの高度な技術を活用して算出されるS&P Kensho水素経済指数を開発しました。この指数は、水素の製造、輸送、及び貯蔵などを手掛ける企業で構成されており、水素経済に関連する企業のパフォーマンスに連動するように設計されています。本レポートでは、水素経済の概要について説明するとともに、水素経済への移行によって生じる投資機会を指数を通じて測定する方法について考察します。

はじめに

水素は、周期表の中で最も軽く、最も単純な構造を持つ元素です。また、水素は宇宙で最も多く存在する元素であり、宇宙の全質量の75%を占めると言われています。地球上の水素のほとんどは、水や有機化合物などの分子の形で存在しています。電気と同じように、水素は二次エネルギーです。水素は水から作ることができ、水素分子と酸素分子を化学反応させると電気が発生し、この過程で水または過酸化水素が生成されます。このプロセスにおける発熱量は141.80 MJ/kgであり、これはディーゼルの発熱量(44.80 MJ/kg)の3倍、石炭の発熱量(32.50 MJ/kg)の4.3倍です。ディーゼルまたは石炭とは異なり、水素を燃焼させても二酸化炭素は排出されません。水素を製造する過程で排出される二酸化炭素を低減または削減することができれば、水素はクリーンで効率的かつ持続可能なエネルギー源となります。今後数十年にわたる脱炭素社会への移行において、水素は極めて重要な役割を果たす可能性があります。

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S&P 500® は、なぜ日本にとって重要 なのか?

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Tim Wang

Senior Analyst, Global Research & Design

S&P Dow Jones Indices

  • この記事に含まれる指数 S&P 500

S&P 500 は、米国大型株の動向を表すベンチマークとして広く認められて います。同指数は米国の主要企業 500 社のパフォーマンスを測定するよう に設計されており、米国株式市場の時価総額の約 80%をカバーしていま す。2020 年末現在、S&P 500 をベンチマークとする運用資産残高だけで も 13 兆 5,000 億米ドルを超えており、この指数に連動する金融商品の運 用資産残高は約 5 兆 4,000 億米ドルに及んでいます 1 。 S&P 500 に基づ く上場取引型金融商品は世界中の様々な市場に重複上場されていますが、 米国株式(特に S&P 500)に対する海外投資家の投資需要を支えている要 因は何なのでしょうか?

このレポートでは:

  • S&P 500 と日本の主要株式ベンチマークを比較します。
  • 世界の株式市場における S&P 500 の重要性を検証します。
  • S&P 500 のパフォーマンスと米国大型株アクティブ・ファンドのパフォーマンスを比較します。

S&P 500 と東証株価指数(TOPIX)の比較

S&P 500 及び TOPIX は米国及び日本の代表的な株価指数です。両指数は 長年にわたり、国内株式や株式ファンドへの投資のベンチマークとして一 般的に使用されています 2 。ただし、米国と日本では経済情勢や金融市場 の動向が異なるため、両指数の内容も大きく異なります。

TOPIX は、東京証券取引所(第一部)に上場されている 2000 社の国内普 通株式から構成されています。一方、S&P 500 は米国の主要企業 500社か ら構成されており、米国株式市場の時価総額の約 80%を占めています。両 指数の構成銘柄は、それぞれの浮動株調整後時価総額により加重されてい ます。S&P 500 の構成銘柄数は TOPIX の構成銘柄数の 4 分の 1 に過ぎま せんが、S&P 500 の浮動株調整時価総額は、TOPIX の 10 倍となっていま す。

2021 年 10 月 29 日現在、TOPIX の構成銘柄上位 10 社は指数の 18.76%を 占めており、トヨタのウェイトが 3.71%で最も高くなっています。一方、 S&P 500 の構成銘柄上位 10 社は 30.26%を占めており、トップのマイクロ ソフトのウェイトは 6.38%となっています(図表 1 参照)。

TOPIX には東京証券取引所(第一部)に上場されている全ての国内普通株 式が含まれています。一方、S&P 500 は米国の主要企業 500社から構成さ れており、中小型株が含まれていないため、構成銘柄の平均時価総額や、1 日当たり平均取引高において、TOPIX を大幅に上回っています。S&P 500 の構成銘柄数は TOPIX より少ないものの、S&P 500 の浮動株調整後時 価総額合計と平均取引高は TOPIX を大幅に上回っています。

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S&P PACTTM指数(S&P パリ協定準拠指数及び気候変動指数)を通じた1.5°Cシナリオへの移行

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Mona Naqvi

Global Head of ESG Capital Markets Strategy

S&P Global Sustainable1

歴史的合意であるパリ協定が採択されたことを受け、人類の気候変動との戦いは大きな転機を迎えました1。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)がまとめた報告書にも記載されているように、地球の平均気温の上昇を産業革命前の水準から1.5°C以内に抑えるべく様々な取り組みが進められています。

これまでのところ、環境意識の高い投資家は主にポートフォリオの相対的な炭素エクスポージャーを減らすことに注力してきましたが、メソドロジーが適切ではないなどの理由により、いわゆる「グリーンウォッシュ(環境に配慮しているように見せかけて、実際には環境の改善に寄与していないこと)」の問題が起きています。一時的な状況を分析しただけでは、低炭素社会への移行が着実に進んでいるかどうかを確認することはできません。こうした中で、新たなデータセットが蓄積され、革新的な指数ソリューションが開発されています。これらのソリューションを活用することで、投資家は1.5°Cシナリオに沿った投資を行い、環境負荷の軽減に貢献することが可能となります。欧州連合(EU)は、気候移行ベンチマーク(CTB)及びパリ協定準拠ベンチマーク(PAB)を定義するための基準をまとめており、CTB及びPABではともに、炭素削減に関する相対的な尺度ではなく、1.5°Cシナリオに沿った絶対的な尺度が採用されています2。当社のS&P PACT指数は、提言された基準を満たすだけでなく、その他の気候目標の達成にもつながるような革新的な投資ソリューションとなっています。この新たなサステナブル気候指数を活用することにより、投資家は以下のようなメリットを享受することができます:

  1. パリ協定に準拠するだけでなく、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを達成するために、5°Cシナリオに合致した投資を行う
  2. EU CTB及びPABの推奨基準や、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に準拠した戦略を採用し、気候変動により生じる物理的リスク、移行リスク、及び機会に配慮する
  3. 数多くの気候目標に効率的に取り組む一方で、できる限り原指数に近い構成を維持し、幅広く分散されたエクスポージャーを確保する

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よくある質問(FAQ) ESG のバックテスト:バックワード・データ・アサンプションに関す る概要

  1. ESG データに関する「バックワード・データ・アサンプション」とはどのような意味ですか?一般に S&P DJI では、バックテストされた指数データを作成する際に、関連するデータベースから取り出したデータ、または実際のデータを使用します。例えば、過去の株価、時価総額、及びコーポレーション・アクションに関するデータなど、構成銘柄レベルのデータを使用します。S&P DJI の ESG 指数の算出では様々なデータポイントを使用しますが、ESG 投資はまだ開発の初期段階にあるため、データ不足により、バックテストの全ての対象期間をカバーできない場合があります。このようなケースでは、S&P DJI は ESG データの「バックワード・データ・アサンプション」(または、引き戻し)と呼ばれるプロセスを通じて、バックテストされた過去のパフォーマンスを算定する場合があります。「バックワード・データ・アサンプション」とは、指数構成銘柄に関して入手可能な実際のデータポイントのうち最も過去のものを、バックテストのパフォーマンスの算定に適用するプロセスです。例えば、仮に全ての適格構成銘柄に関する製品関与データ(企業がどのような製品の生産・販売に関与しているかを示すデータ)が必要であることが指数メソドロジーで定められており、ある企業について実際の製品関与データが 2015 年以降しか入手できない場合、S&P DJI はその企業の 2015 年時点の製品関与データを使用し、2010 年から 2014年までのバックテスト・データを計算します。

  1. ESG データに関する「バックワード・データ・アサンプション」が必要になる場合があるのはなぜですか?データ不足により、バックテストの全ての対象期間をカバーできない場合、バックワード・データ・アサンプションを用いることで、指数の特性やリスク・リターン特性をより明示的に表すことが可能となります。また、バックワード・データ・アサンプションを採用することで、実際のデータだけを使用する場合と比べて、仮説に基づくバックテストの期間を長くとることが可能となります。多くの ESG データ・プロバイダーでは、当初はバックテストの対象期間が限定されていましたが、ここ数年は対象期間が拡大されています。実際の過去データのみを使用してバックテストを行ったとしても、指数構成銘柄の特性を十分にバックテストに反映させることができない場合も多くあります。ESG データについてバックワード・データ・アサンプションを採用しない場合、バックテストの対象期間が長くなればなるほど、指数ユニバースの中でバックテストに使用できる企業の数は少なくなります。したがって、S&P DJI ではバックワード・データ・アサンプション・メソドロジーを採用することで、より長い期間を対象としたバックテストを行い、構成銘柄の特性をバックテストに反映させています。

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