THE S&P 500 MARKET: 2025年2月
個人的見解: 最高値を更新するも市場はレンジ相場の展開となり、各種の交渉の終結が待たれる
2月のS&P500指数は、各種発言、大統領令、政策といった、ワシントンで繰り広げられるイベントに限定的な反応しか示さず、それらのイベントがまだ進行中であり、交渉の一部であると見ているようでした。2025年2月の「限定的」な反応を具体的に挙げると、S&P500指数は1.42%の下落と許容できる下落幅にとどまったこと、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を上回ったこと、マグニフィセント・セブン銘柄が下落したことなどです。S&P500指数の2月のトータルリターンはマイナス1.30%でしたが、マグニフィセント・セブン銘柄を除くとプラス0.41%であり、年初来の指数全体のトータルリターンはプラス1.44%から、マグニフィセント・セブン銘柄を除くとプラス3.27%に浮上します。上記のイベントの結果が米国、ひいては市場を変化させる可能性もありますが、市場の目先の懸念は消費者であり、消費者が悲観して(信頼感指数やセンチメント指数で示されます)支出を控えれば、企業利益が減少し、さらには雇用の減少にもつながりかねません。そうした消費者の悲観に加え、政府関連の雇用の不確実性と、それによる民間の雇用への影響や、関税導入によるインフレ再燃の可能性も懸念されます。雇用は引き続き堅調で、インフレ率も大幅に低下していますが、消費者は自身の認識に基づいて動くものであり、将来の利益に対する市場の認識を左右するのは消費者です。
2月にS&P500指数は1.42%下落しました(配当込みのトータルリターンはマイナス1.30%)。1月は2.70%上昇(同プラス2.78%)、2024年12月は2.50%下落(同マイナス2.38%)でした。過去3カ月では1.29%下落(同マイナス0.97%)、年初来では1.24%上昇(同プラス1.44%)、過去1年間では16.84%上昇(同プラス18.41%)となりました。2024年通年では23.31%上昇(同プラス25.02%)、2023年は24.23%上昇(同プラス26.29%)、2022年は19.44%下落(同マイナス18.11%)でした。2月は11セクターのうち6セクターが上昇しました。1月は10セクター、12月は3セクターが上昇しました。2月のパフォーマンスが最高となったのは生活必需品で5.59%上昇しました(年初来では7.58%上昇、2023年末比では20.47%上昇)。パフォーマンスが最低だったのは一般消費財で、9.42%下落しました(同5.44%下落、同22.10%上昇)。
2月は値下がり銘柄数が増加し、値上がり銘柄数を上回りました。2月の値上がり銘柄数は248銘柄でした(平均上昇率は6.06%)。1月は355銘柄が値上がりしました(同6.63%)。2月に10%以上上昇した銘柄数は40銘柄(同14.18%)で、1月の79銘柄(同13.84%)から減少し、1銘柄(1月は2銘柄)が25%以上上昇しました。一方で、値下がり銘柄数を見ると、2月は255銘柄が値下がりしました(平均下落率は7.45%)。1月は148銘柄が値下がりしました(同4.22%)。2月に10%以上下落した銘柄数は72銘柄(同15.69%)で、1月の15銘柄(同14.73%)から増加し、5銘柄(1月は1銘柄)が25%以上下落しました。2024年通年では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を大幅に上回り、値上がり銘柄数が332銘柄(平均上昇率は28.17%)、値下がり銘柄数が169銘柄(平均下落率は16.07%)でした。