30年前、ビル・クリントン氏が第42代大統領就任式に向けて準備を進めていた頃、S&P 500®は430ポイントをやや上回る水準で取引されていました。当時のビジネスウィーク誌の最新号では、1993年の株式市場は「銘柄選択が重要な年」になると紹介されていました。一方、ニューヨーク証券取引所では、一般的な株式とは異なるタイプの新しい証券が上場を控えていました。これは、特定の指数の動きに連動する運用成果を目指し、証券取引所で株式のように売買できる画期的な証券です。
2023年1月29日、世界で最も長い歴史のある上場投資信託(スタンダード&プアーズ預託証書(DR)、あるいはSPDR(スパイダー))が米国上場30周年を迎えます。SPDRは世界最大級の投資ファンドであり、最も取引量の多い投資ファンドの1つでもあります。本稿は、当社が定期的に発行しているSPIVA®レポートの特別版であり、上場から29年あまりのSPDRのパフォーマンスについて考察します。
図表1は、アクティブ運用米国株式ファンドとS&P 500の過去30年間のパフォーマンスを比較したものです。この比較では、当社が定期的に発行しているSPIVA米国スコアカードと同じ分析手法及びデータソースを使用し、数値は各四半期末のリターンに基づいています。図表1では、米国大型株コア・カテゴリーと全てのアクティブ運用米国国内株式ファンドの統計値がハイライトされています(オレンジ色と灰色)。