GICS®構成の変更が近づいています。S&P ダウ・ジョーンズ・インデックスとMSCIは2022年12月15日、今回の世界産業分類基準(GICS)構成の変更によって影響を受ける企業の全リストを共同で発表しました。2023年のGICS構成の変更は、2018年に行ったコミュニケーション・サービス・セクターの変更と比べるとそれほど広範囲に及ぶものではありません。それでも、今回の変更は多くのセクター、産業、及び企業に大きな影響を及ぼします。
図表1は、2023年のGICS構成の変更に伴う様々な米国株価指数への影響をまとめたものです。「セクター内の」銘柄変更(Intra Change)は、セクター内で再分類される銘柄の数を示しており、「セクター間の」銘柄変更(Inter Change)は、現在のセクターから他のセクターに再分類される銘柄の数を示しています。これらの株価指数では、セクター間の銘柄変更よりもセクター内の銘柄変更の方が多くなっています。
図表2では、S&P 500の各セクターへの影響を示しています。S&P 500の11のセクターのうち、6のセクターが今回のGICS構成の変更によって影響を受けます。セクター内の銘柄変更が最も多いのは不動産セクターです。これは、今回のGICS構成の変更により、エクイティ不動産投資信託(REIT)の産業グループが新設され、分類が細分化されることによるものです。不動産セクターでは17の銘柄がセクター内で再分類され、これらの銘柄は再分類後の新たなセクター・ウェイトの60%を占めます。ほとんどの変更は、現在のGICS構成における専門不動産投資信託(REIT)及び住宅用不動産投資信託(REIT)のカテゴリーから再分類されたものであり、これらの銘柄はより具体的な事業内容に適したカテゴリーに分類されます。